第1次未来メディア研究交流会

世界に感謝! 

                         竹本隆(たけもと たかし)                         


 21世紀の思潮は、ア・トムス。感動と不可分である。そんな思いを胸に、「未来メディア」ウェッブサイトを育てます。執筆者には、メッセージ発信のこよなき律動と人を思う心を、読者には、うちひしがれない勇気と目標発見の感動を、企業には、現世での富とケアの最適公正な配分を行なえる、マーケティング・パワーと集合的な夢の形成力を。われわれが目指している媒体は、新世紀の時代精神を創るための戦略的媒体である。豊かな創造力と感謝の念を喚起する社会には、それにふさわしい時代の風やテーマがある。具体的には、命を守るディジタル・テクノロジー、ワン・トゥ・ワン・マーケティング、サイバーによる情報アクセス、リベラル・ア−ツと自然科学の調和、企業価値、地球大の資源代謝、脳細胞工学などだろうか。シニアには夢と叡智とコミュニケーションを、少壮には課題と意思と構想力を! 万人に、よいタイム・マネジメントと感謝の社会を! 「未来メディア」のサイトを通じて、ささやかながら心を集めたい。
 
 高度情報通信社会、インターネットが世界をつなぐ現代にあっては、もはや国境は意味を持たない、といった主張が数年前、日本をも包みこんで、熱病のように広まった。が、ビッグバンの号令がかかるや、一転、第2の日本占領統治であるという怨嗟の声が広がり始めている。日本に貯まったお金が、また国際金融資本によって略奪されそうだ、というヒステリアもある。今回の不況は金融不況であって、製造業は強い、という日本不倒神話も根強い。だが現実には、マネジメントの求心力を失った企業もあり、混迷を深めている。一方、自社固有のドメインを強化し、日本の、ではなく、世界のブランドとなったソニーやマブチモーターやシマノや任天堂のような、超エクセレント・カンパニーもひしめいている。
 
 まことにまだら模様なのである。街を歩けばモノがあふれかえり、不況を連呼する記事の横には、貿易収支の膨大な黒字を伝える記事が平然と並んでいる。狂っている、のではない。これこそ、情報爆発の結果なのである。炎天下の街路を歩いていて、突然どしゃぶりに見舞われ、すぐに熱帯夜に戻るような目まぐるしさだ。一切顛倒(てんどう)・矛盾の万華鏡のようなこの情報ハレーション社会にふさわしい、新しい知情意・美理善が切実に求められている。
 
 ポイントは、原点をどこに据えるかだと思う。私は、命を守る、ということだと思う。それを大前提に考えれば、技術や金融や製造や競争にも心が通う。国籍や言語が違っても、肩を抱きあえるのである。困っている人を助けようじゃないか。そういう思いを育む教育であって欲しい。私は、里山や渓流や野花を愛する。国土を愛する。世界に感謝。そんな情念を重ねあって、未来思潮を形成してまいります。(1994)
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