燃料電池と地政学的視点  

                         
 

 

●posted 020808 石油備蓄増強のススメ: 

「米英両政府が(略)対イラク戦争を立案中であることが六日、わかった。石油備蓄が大きな焦点になるという。(略)エーブラハム米エネルギー長官は(略)五日には、ロンドンの国際エネルギー取引所(IPE)で『米国は既にメキシコ湾岸の備蓄庫で備蓄増強を開始した』と認め、『石油消費国は適正水準の石油備蓄を確保すべきだ』と明言した。対イラク軍事作戦に伴う原油価格高騰に備え、各国に対応を促したもようだ」(産経 020807、野口裕之ロンドン特派員の記事より抜粋)

石油戦略と代替エネルギーの確保。地政学の基本テーマのひとつである。天然ガスの一次エネルギーとしての優位性を導きながら、石油の確保にも最大限の配慮をする。伝統的な地政学の視点からは王道であるが、常にその背景には現代の火薬庫であるアラブ中東問題の火種が存在している。はたして燃料電池が、遠い将来、地政学の基本的な枠組みを根本から変えることになるのだろうか。ブッシュ政権を含め、現存のいかなる政権も、そこまで読み切っているところはないに違いない。

 

●posted 020606 「02年版米国気候活動レポート」をブッシュ大統領が批判: (日経 020606朝刊、秋田浩之ワシントンDC特派員の記事より要約)

「アメリカのブッシュ大統領は、米環境保護局などがまとめた『2002年版米国気候活動レポート』について、『役人が書いたものだ』と不快感を表明。このレポートは、経済活動を通じて発生する二酸化炭素が地球温暖化の原因になっていることを、アメリカとして初めて公式に認めたもの。その公式文書を現職大統領が、真っ向から批判する形となった。京都議定書を支持しないアメリカのスタンスを、あらためて強調したものだが、その背景には、京都議定書の内容が米経済に損害を与えるとの、アメリカにおける関連産業界の判断と姿勢が存在している」 (同紙同日関連記事より要約)「オーストラリアのハワード首相は、京都議定書の批准は同国の国益に反する、と議会で明言した。しかし、同国は、京都議定書が定めた国別の温暖化ガス排出枠は当面遵守する考えだ」

 

●posted 020606 エンロンとシントロリアム: 広瀬隆氏の「燃料電池が世界を変える―エネルギー革命最前線 」を見ても、また柏木氏他の「マイクロパワー革命 IT革命の次はこれだ!」を見ても、それらの本の基礎的な取材時期がエンロン破綻前であることから、いずれにおいても、燃料電池関連市場で2000年当時エンロンが占めていた無視できないポジションのことが、ビビッドに活写されている。例えば、スーパークリーンな天然ガスベースの合成液体燃料であるGTL(Gas To Liquid)の技術開発において先行していたシントロリアム社のライセンス展開でも、エンロンは極めてアグレッシブな動きを示していた。だが、エンロンは既に破綻してしまっている。エンロンが抜けたあと、業界相関図の中で、大きなバックファイアー(逆風)の痕跡が残っていないはずはないのだが。それは、どのような擦過傷なのだろうか?